【メーカー、FDAに登録: 臨床市場に向けた大きな展開 】
2014年6月、Genome Web は、Thermo Fisher Scientific が、同社のカリフォルニア州サン・ホセの施設を医療機器事業所としてU.S. Food and Drug Administration (FDA) に登録したと発表したことを報じている。この登録により、同施設は患者から採取したサンプルのインビトロ診断で分析する機器の製造ができるようになる。サン・ホセ工場は昨年ISO 13485認定を受けており、Thermo Fisher, Chromatography and Mass SpectrometryのPresident、Dan Shineの声明は、「このFDA登録で、臨床医療市場向けにClass I質量分析計を開発するという当社の事業計画が一歩前進する」と述べている。
Genome Web は、Class I医療機器としてFDAに登録されている質量分析計を製造しているメーカーには、Waters、Agilent、DanaherのAB Sciexがあるとしている。2011年、FDAは、メーカーに対して臨床現場での使用を意図している機器の登録を義務づけ始めた。
2014年8月、Genome Web は、シカゴでのAmerican Association for Clinical Chemistry (AACC) 年次総会において、AB SciexとThermo Fisher Scientificが、U.S. FDA登録のClass I機器を発表しており、質量分析計の臨床現場への普及に弾みがついたと報告している。
Thermo Fisherは、同社のPrelude MD HPLC, Endura MDトリプル四重極、ClinQuan MDソフトウエアで構成された臨床LC-MSシステムを発表したが、これはFDAにClass I機器として登録した同社初のLC-MSコンポーネントである。
一方、AB Sciexは、今秋に質量分析計2機種、4500MD Triple Quadと4500MD QTRAPの発売を開始すると発表している。 この2機種はアメリカ国内ではClass I機器として、またEU圏内ではCE-IVDD機器として販売され、同時にそのプラットフォームによるビタミンD、免疫抑制剤、新生児スクリーニング検査などのIVDキットをシリーズで発売する。
このAB Sciexの新機種は昨年の3200 MD Triple QuadとQTRAPの発売に続くもので、この2機種もやはりClass IとCE-IVDD認証済みの機器として発売されている。
AB Sciexのclinical global market manager、Tamara Smithは、Genome Webに、「4500MD機器は、3200機器よりも大きな処理能力を必要とする顧客向けのアップグレード機種として位置づけられている」と語っている。また、「基本的にはどちらの機種も当社の研究専用3200、4500型シリーズと同じ性能であり、研究専用機種もタンパク質を標的として定量化作業が可能」と語っている。
これらの機種のCE-IVDDマークにより、AB Sciexはヨーロッパ圏内でこのプラットフォーム向けのIVDキット販売を認められたことになる。しかし、アメリカ国内においては、これらの機種はラボ開発試験市場をターゲットとしている。2011年、FDAがガイダンス草案を発表し、ラボ開発試験 (LDT) の一部として質量分析機器を用いる企業に対して、アッセイにおいてはClass I登録機器だけを用いるよう指示している。その時には大手メーカーでは質量分析機器をClass Iとして登録していたのはWatersだけだった。それ以降、AB Sciex、Thermo Fisherの他にもAgilent、Shimadzuがそれぞれの機器をClass I機器に登録しており、BrukerもMALDI Biotyper機器の510(k)認可を受けている。


