Sera Prognostics™: プロテオミクスによる未熟児リスク検査

2016.07.13
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 2015年1月9日付Genome Web の報道によると (12)、ユタ州ソルト・レーク・シティに本社を置く女性ヘルス・ケア企業、Sera Prognostics社が、今年後半にMRM-MSプロテオミクス検査製品 (PreTRM™) の発表を計画している。この製品は、現場の医師が妊娠女性の未熟児出産リスクをするものである。Sera社は、同社の三重四極MRM-MSを用いているCLIAラボを通してPreTRM検査製品を提供していく予定になっている。

 

Genome Webは、検査製品が予定通りに発表されるという前提で、三重四極MRMを用いた多重プロテオミクス検査製品は、2013年に発表されたXpresys Lung Test以来ようやく2つめだと述べている。

Sera社の未熟児出産検査パネルは、同社独自のペプチド3種と追加のタンパク質6種で構成されており、妊娠第2期初期に妊婦の血液中のタンパク質を測定し、未熟児出産リスクを判定するというものである。
 
Sera社は、大規模なProteomic Assessment of Preterm Risk (PAPR、未熟児出産リスクのプロテオミクス評価) 臨床研究のためにアメリカ国内11箇所の病院などで5,500人の患者の研究参加登録を済ませており、2015年第2四半期には研究結果が発表されている。PAPRは、幅広く一般化が可能な未熟児出産予測因子開発目的としては、これまでにアメリカ国内で行われた単独の妊娠プロテオミクス研究としては参加患者数で最大の研究になった。
 
Sera社とBill & Melinda Gates Foundationは、PAPR研究とSera社の未熟児出産検査の開発の経験を活かし、これまでこの分野の医療が十分に行われていなかった発展途上国において未熟児出産のリスクを効果的かつ安価に判定する新しいツールの開発を計画している。
 
Bill & Melinda Gates Foundation, Global HealthのPresidentを務めるTrevor Mundelhaは、「毎年世界中で1,500万人以上の子供が未熟児で生まれており、とりわけ発展途上国においてその影響は強く、未熟児出産その他の妊娠合併症のリスクを判定する検査のニーズは大きい。検査によってリスクを発見できれば効果的な早期医療介入が可能になり、どこでも母子の健康の改善を図ることができる。科学のこのような新しい分野でSera Prognostics社と協力し合えることを期待している」と述べている (13)
 
また、Sera Prognostics 社のChairman兼CEO、Gregory C. Critchfield, M.D.は、「Bill & Melinda Gates Foundationが、投資家として私達の事業への参加を同意したことを喜ばしく思う。両者の協力関係は、世界の母子の健康を向上させるため、妊娠初期に未熟児出産のリスクを判定する重大な課題に取り組むために貢献することになる」と述べている。(13)
以前にMyriad Genetics 社のPresidentを務めていたDr. Critchfieldは、「弊社の技術は、世界中の医師を支援し、患者のために真の改善をもたらすことができると確信している」と述べた。
 
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Michael D. O'Neill
APEX Award Winner
Edited by

Michael D. O'Neill

サイエンスライターとして30年以上の経験を持つ独立系科学ニュース編集者。世界160カ国以上に読者を持つ「バイオクイックニュース」を通じ、生命科学・医学研究の最前線をタイムリーに発信しています。