動物や植物の「目立つ色」:進化のタイムラインと機能

動物や植物の「目立つ色」(目立つ色: conspicuous colors)は、赤、黄色、オレンジ、青、紫など、多くの背景の中で際立つ色を指します。このような色は、動物や植物の間で重要なコミュニケーション手段として進化してきました。例えば、クジャクは鮮やかな尾羽を広げて異性を惹きつけたり、毒蛇や中南米のカラフルな毒ガエルが捕食者への警告として色を利用したりします。

アリゾナ大学の研究者らによる最近の研究では、動物における色覚の進化と、動物や植物での「目立つ色」の異なる役割について、進化のタイムラインを分析しました。

この研究は、アリゾナ大学生態学・進化生物学科のジョン・J・ウィーンズ博士(John J. Wiens)を中心に進められ、2024年9月26日に『Biological Reviews』誌に掲載されました。論文のタイトルは「How Life Became Colourful: Colour Vision, Aposematism, Sexual Selection, Flowers, and Fruits(生命がカラフルになった理由:色覚、警告色、性的選択、花、果実)」です。

研究の背景と目的

研究の共同著者であるオクラホマ州立大学統合生物学部のザカリー・エンバーツ博士(Zachary Emberts)は、「鮮やかな色彩がいつ進化し、どのような目的で使われてきたのかを知りたいと考えたことが、この研究を追求した主な理由です」と述べています。

研究によれば、動物の色覚は約5億年前に進化しましたが、カラフルな果実や花はそれよりもはるか後、果実が約3億5000万年前、花が約2億年前に現れたことがわかりました。また、警告色信号は約1億5000万年前に、性的色信号は約1億年前に出現したとされています。

「目立つ色」の役割と進化

研究では、「目立つ色」が動物では主に2つの目的に使われることを示しました。それは、警告色信号と性的色信号です。また、植物においては、果実では種子を散布するため、花では花粉を分配するために利用されていることがわかりました。

警告色信号と性的色信号

警告色信号は、捕食者に危険を警告するために使われ、目が発達していない動物でも発信可能です。そのため、動物界全体で非常に広く見られる特徴です。
一方で、性的色信号は、オスとメスが互いに視覚的な信号をやりとりするため、目の発達した脊椎動物(魚類、両生類、哺乳類、鳥類、爬虫類)や節足動物(昆虫やクモ類)に限定されています。

進化の爆発的な広がり

約1億年前から、警告色信号と性的色信号の両方が急激に多様化しました。ウィーンズ博士は、この現象の正確な理由は不明であるものの、海洋環境では条鰭類の魚類、陸上では鳥類やトカゲといった3つの主要なグループが、この多様化の主な要因であると指摘しています。

また、警告色信号は性的色信号に比べて5倍以上も広範囲に分布していることもわかりました。この広がりは、警告信号が発信者自身の視覚能力に依存しない点に起因していると考えられています。

今後の研究方向

エンバーツ博士は、「特定の色、例えば赤や青を動物がどのように見分けられるようになったのかを探ることは、今後さらに興味深いテーマとなるでしょう」と述べています。

画像:毒を持たないアリゾナ・マウンテン・キングスネークは、毒を持つサンゴヘビに似ているが、カラフルなサンゴヘビを避ける捕食者を警戒させることで、生存に有利な立場にある。(Credit: John J. Wiens)

[News release] [Biological Reviews abstract]

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