睡眠科学のフロンティア

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眠りの深淵から、病の根源、そして夢の遺伝学へ。

あなたは今夜、どんな夢を見るのでしょう?
朝、心身ともに満ち足りた目覚めを迎えていますか?
毎日、決まった時間に眠くなり、決まった時間に目が覚めるのは、なぜだと思いますか?

そして、もしその当たり前だと思っていたあなたの「眠り」と「体のリズム」が、あなたの健康や心の状態、さらにはあなたが何者であるかという根源的な問いにまで、深く、深く関わっているとしたら?

私たちの体には、生まれたときから約24時間周期で正確に時を刻む「体内時計」が組み込まれています。
それは、睡眠と覚醒のリズムだけでなく、ホルモン分泌、代謝、そして私たちの気分まで、全身の機能を巧みに制御する、まさに生命のリズムを司る「総指揮者」です。

しかし、現代社会の不規則な生活や、夜遅くまで煌々と輝く照明は、この精緻な体内時計を静かに狂わせ、見過ごせない様々な健康問題の引き金となることが、最新の科学によって次々と明らかにされています。

この一冊を紐解けば、あなたは眠りと体内時計に関する最前線の研究という、驚きに満ちた世界へと旅立つことになります。

ノーベル賞に輝いた「概日リズム」分子メカニズムの発見が、いかにして私たちの健康への扉を開いたのかを知り、
長年原因不明とされてきた「ナルコレプシー」の根本原因が、脳内の重要な物質「オレキシン」の不足、そして免疫システムの「誤認」によるものだったという、衝撃的な真実に迫ります。

さらに、「夜型」である理由が単なる怠けや習慣ではなく、「CRY1遺伝子」の変異にあるかもしれないというヒントも。

見過ごしがちな日常的な睡眠不足が、健康な若い男性でさえ脂肪代謝を乱し、将来の2型糖尿病リスクを高めるというメカニズムも紹介。

また、REM睡眠をコントロールする2つのアセチルコリン受容体(Chrm1とChrm3)の発見が、「夢の遺伝学」という新しい分野を切り開き、
悪夢障害やREM睡眠行動障害の理解と治療へとつながる可能性を示します。

ウェアラブルデバイスが捉える睡眠データと体内時計の変動が、気分障害の予測や予防に役立つ可能性も解説。

「寝る子は育つ」という言葉に隠された科学的真実、すなわち「睡眠紡錘波」が乳児の記憶と般化に不可欠であることが、子育てに重要な示唆を与えます。

さらに、「動物も夢を見る」という驚きの発見が、生命の根源的な謎に迫ります。

特に注目すべきは、双極性障害に関する「第2の脳内時計(ドーパミン振動子)」の発見です。
この新たな知見が精神疾患の理解と治療に光を当てる可能性についても深く掘り下げます。

この一冊を通じて、あなたは「眠り」の背後にある生命の巧妙な仕組みを知ることで、
自らの健康や人生を見つめ直すきっかけを得ることができるでしょう。

 

目次:

  • 第1章: 概日リズムの分子メカニズム発見 ― ノーベル賞受賞研究が解き明かす生物時計の秘密
  • 第2章: ナルコレプシーの原因物質オレキシン発見 ― 睡眠障害のメカニズム解明への大きな一歩
  • 第3章: ナルコレプシーは自己免疫疾患なのか? ― 最新研究が示す意外な原因
  • 第4章: あなたは「夜型」?「朝型」? ― 遺伝子が決定する睡眠のタイミング
  • 第5章: 睡眠不足が健康を脅かすメカニズム ― 脂肪代謝と糖尿病リスクの関連
  • 第6章: 夢の遺伝学に向けて ― REM睡眠の調節に重要な2つの受容体がマウス研究で判明
  • 第7章: 最新技術が睡眠研究を変える ― ウェアラブルデバイスで気分障害を予測
  • 第8章: 眠りの中で成長する脳 ― 乳児の睡眠が記憶力向上に不可欠な理由
  • 第9章: 動物も夢を見るのか? ― 鳩が睡眠中に「飛行の夢」を見る証拠
  • 第10章: 睡眠と精神疾患の複雑な関係 ― 双極性障害における「第2の脳内時計」の発見

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