脆弱X症候群に新たな治療の光!MITがNMDA受容体サブユニット標的で症状改善

脆弱X症候群に新たな治療の光!MITがNMDA受容体サブユニット標的で症状改善

サイエンス出版部 発行書籍

言葉や学習の困難などを引き起こす遺伝性の自閉症スペクトラム障害、脆弱X症候群。この長年多くの人々を苦しめてきた病気に対し、光明が差し込むかもしれません。マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者たちが、20年以上にわたる探求の末、脳内の特定の「スイッチ」を操作することで、この病気の症状を改善する新たな方法を発見しました。まるで複雑なパズルのピースがはまるように、過去の研究成果と結びついたこの発見は、脳内のタンパク質合成のバランスを整え、神経細胞の働きを正常化させる可能性を秘めています。2025年2月20日にthe journal Nature Physics誌で発表されたこの研究は、NMDA受容体(NMDA receptors)と呼ばれる脳の重要な受容体の特定の部品(サブユニット)に注目。 この部品の働きを高めることで、脆弱X症候群モデルマウスの脳内で過剰になっていたタンパク質の大量生産を抑え、神経活動やけいれんの起こりやすさといった症状を改善することに成功しました。このオープンアクセス論文のタイトルは「Non-Ionotropic Signaling Through the NMDA Receptor Glun2b Carboxy-Terminal Domain Drives Dendritic Spine Plasticity and Reverses Fragile X Phenotypes(NMDA受容体GluN2Bカルボキシ末端ドメインを介した非イオンチャネル型シグナル伝達は樹状突起スパインの可塑性を駆動し脆弱X症候群の表現型を回復させる)」です。 研究の背景 「この研究で最も満足していることの一つは、パズルのピースがこれまでの研究成果と実に見事に合致したことです」と、本研究の責任著者であり、MIT脳・認知科学科のピカワープロフェッサーであるマーク

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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