気分の揺れに潜むもう一つの「時計」―双極性障害の根本原因に迫る研究

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マギル大学が主導する新たな研究によると、体の自然な睡眠・覚醒サイクルと連動する脳のリズムが、双極性障害の患者が躁状態と抑うつ状態を交互に経験する理由を説明する可能性があると示されています。この研究成果は2025年1月1日付で『Science Advances』誌に掲載され、双極性障害における二つの状態の切り替わりを引き起こす要因に関する理解において、画期的な前進を示しています。筆頭著者であるカイ=フロリアン・シュトルヒ博士(Kai-Florian Storch, PhD)は、この現象の解明は「双極性障害研究の聖杯」とされています。 このオープンアクセス論文のタイトルは「Mesolimbic Dopamine Neurons Drive Infradian Rhythms In Sleep-Wake and Heightened Activity State(中脳辺縁系のドーパミン神経が睡眠・覚醒および活動亢進状態における亜日周期リズムを駆動する)」です。 「私たちのモデルは、気分のスイッチや周期変動のための初の普遍的なメカニズムを示しており、それは太陽と月が定期的に大潮を引き起こすような仕組みと類似しています」と、マギル大学精神医学部の准教授であり、ダグラス研究センター所属の研究者であるカイ=フロリアン・シュトルヒ博士(Kai-Florian Storch, PhD)は述べています。 本研究によれば、双極性障害の患者における定期的な気分変動は、2つの「時計」によって制御されている可能性があります。一つは24時間周期の生物時計であり、もう一つは通常覚醒状態に関与するドーパミン産生ニューロンによって駆動される第二の時計です。これら異なる速度で動作する2つの時計のタイミングが特定の時点でどのように一致するかにより、躁状態や抑うつ状態が生じると考えられています。 注目す
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