細胞を扱って実験されたことがあるかたは CD 抗原になじみがおありかもしれません。CD は cluster of differentiation のことで、白血球の細胞表面抗原を「CD」の後ろに番号をつけて示しています。
骨髄細胞から派生していく分化細胞を追跡できるすばらしいシステムを目指しているのかと思ったりしたのですが、もともとは世界中の研究者が個別に得た、細胞を認識するモノクローナル抗体を表面抗原ごとに分類して整理することが目的だったようです。1982年に開催されたヒト白血球分化抗原(Human leukocyte differentiation antigen)の国際ワークショップにはじまり、現在までに CD371まで登録されています。表面抗原といっても全体像がわかっているわけではないので、間違いや怪しい事例もあって、取り消されたり修正した結果の欠番があります。要再評価の暫定命名を示す「w」や細胞の特定の状態での限定的発現を意味する「R」が番号のあとについていることもあります。
また、遺伝子が複数個あるようなときは「a」、「b」、「c」のように付加されてます。 各々の抗原についての詳細くは WEB サイトに記載されていますが、ここには CD 表示と一緒に抗原の別名、遺伝子、そして手に入るモノクローナル抗体が書かれています。もちろん、抗体についてはすべてを網羅しているわけではないので、文献やカタログを辿って調べ上げる必要があります。CD抗原に対する抗体の活用法については追って説明していきたいと考えています。
