コンパクトで多機能!新ゲノム編集ツール「TIGR」が治療応用に道

サイエンス出版部 発行書籍
生命の設計図「ゲノム」を自在に編集する技術は、病気の治療から新品種の開発まで、私たちの未来を大きく変える可能性を秘めています。その代表格であるCRISPR技術に続き、新たな「ゲノム編集のスター候補」が登場しました。マサチューセッツ工科大学(MIT)とブロード研究所の科学者たちが、自然界の広大な遺伝情報の中から、古代のウイルスなどが持つユニークなDNA改変システム「TIGRシステム」を発見したのです。このTIGRシステムは、RNAを道しるべにDNAの特定の部分を狙い撃ちし、様々な操作を加えることができる「プログラム可能なタンパク質」。CRISPRよりもコンパクトで、部品交換のように機能を組み合わせやすいモジュール構造を持つため、治療応用へのハードルが低いと期待されています。2025年2月27日に科学誌「Science」で発表されたこの発見は、ゲノム編集ツールボックスに強力な新メンバーを加えることになるかもしれません。 論文タイトルは「TIGR-Tas: A Family of Modular RNA-Guided DNA-Targeting Systems in Prokaryotes and Their Viruses(TIGR-Tas:原核生物とそのウイルスにおけるモジュール型RNA誘導DNA標的化システムのファミリー)」です。研究を率いたMITのフェン・チャン博士(Feng Zhang, PhD)は、このシステムの多機能性と応用の広さに大きな期待を寄せています。特に、TIGRシステムを構成するTIGR関連(Tas)タンパク質は、RNAガイドと結合する部分とDNAを切断する部分などが独立しており、まるでレゴブロックのように機能を組み替えられるため、ツール開発を加速させる可能性があります。 「自然は実に素晴らしいものです」と、マクガヴァン研究所およびハワード・ヒュー
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