皮膚細胞が神経細胞に直接変身!MIT開発のダイレクトコンバージョン技術で収率10倍超

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もし自分の皮膚細胞が、失われた神経細胞の代わりになれるとしたら?そんな再生医療の夢を大きく前進させる画期的な技術が、マサチューセッツ工科大学(MIT)で生まれました。これまで細胞の種類を変えるには、iPS細胞のような「万能細胞」を経由する必要がありましたが、MITの研究チームは、皮膚細胞から直接、神経細胞へと「ワープ」させるかのような新たな手法を開発。しかも、マウス実験では、1つの皮膚細胞から10個以上のニューロンを作り出すという驚異的な効率を達成しました。この「ダイレクトコンバージョン」技術がヒト細胞にも応用できれば、脊髄損傷やALSといった難病に苦しむ患者さんのための運動ニューロンを大量に供給できる道が開けるかもしれません。2025年3月13日に「Cell Systems」誌で発表されたこの研究は、細胞置換療法の未来を明るく照らしています。 「私たちは、これらの細胞が細胞置換療法の実行可能な候補となりうるかどうかという問いを発することができるほどの収率に到達できました。そうなってほしいと願っています。このような種類の再プログラミング技術が私たちをそこへ導いてくれるのです」と、MITのW. M. ケック生物医学工学・化学工学キャリア開発教授であるケイティ・ギャロウェイ博士(Katie Galloway, PhD)は述べています。 これらの細胞を治療法として開発するための第一歩として、研究者らは運動ニューロンを生成し、それらをマウスの脳に移植したところ、宿主組織と統合することを示しました。 ギャロウェイ博士は、この新しい方法を記述した2つの論文の責任著者であり、MITの大学院生であるネイサン・ワン氏(Nathan Wang)が両論文の筆頭著者です。 皮膚からニューロンへ 約20年前、日本の科学者たちは、4つの転写因子を皮膚細胞に導入することで、それら
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