鮮やかな羽の色を調節する酵素が明らかに

カラフルな羽毛を持つことで知られるオウム。その鮮やかな赤と黄色の色素を調節する仕組みを解明した新しい研究が、2024年11月1日にScience誌で発表されました。本研究の論文タイトルは「A Molecular Mechanism for Bright Color Variation in Parrots(オウムの鮮やかな色の変化をもたらす分子メカニズム)」です。この研究は、オウムの色彩進化とその多様性の分子メカニズムに関する新たな知見を提供します。

背景:自然界における色の重要性

自然界では、色は生態学的適応やコミュニケーションにおいて重要な役割を果たします。特に鳥類は、多彩な羽毛の色とパターンで注目されており、その中でもオウムは非常にカラフルな種として知られています。オウムの羽毛の鮮やかな色は、「シトコフルビン」と呼ばれる特徴的な色素によって作り出されます。

これまで、色素生成において重要な役割を果たす「ポリケタイド合成酵素(PKS)」の存在が知られていましたが、オウムがどのようにして多様な色調を生み出しているのか、その具体的なメカニズムはよく分かっていませんでした。

研究の概要と発見

本研究を主導したワシントン大学医学部のロベルト・アルボレ博士(Roberto Arbore, PhD)らは、化学・酵素解析、遺伝子マッピング、シングルセルゲノム技術を組み合わせて、オウムの羽毛における黄色から赤、緑色の色素変化を調査しました。

研究チームは、色の変化の多くが「ALDH3A2」という単一の酵素の発現を微調整することで制御されていることを発見しました。この酵素はアルデヒド代謝を調節し、赤いアルデヒド分子を黄色いカルボキシル含有分子に酸化することで、羽毛の色素構成を変化させます。この過程により、赤と黄色のシトコフルビン色素のバランスが制御され、オウムの羽毛の色調が形成されるのです。

生物多様性への示唆

アルボレ博士らは、この単一遺伝子による単純なメカニズムが、オウムの多様な色の進化が迅速かつ広範囲にわたって起こった理由を説明すると述べています。この発見は、色彩の進化や生態学的適応の理解を深めるものといえます。

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