「やる気ホルモン」だけじゃない!ドーパミンの新たな役割とは?回避学習と心の病を解明

「やる気ホルモン」だけじゃない!ドーパミンの新たな役割とは?回避学習と心の病を解明

「やる気を出すホルモン」として知られるドーパミン。SNSのフィードを夢中でスクロールしてしまうのも、熱いストーブに手を触れるのを避けるのも、このドーパミンが関わっていると言われています。しかし、ドーパミンが私たちに「快」を追求させるだけでなく、「不快」を避ける学習にどう役立っているのか、その詳細は完全には解明されていませんでした。今回ご紹介するのは、そんなドーパミンの新たな一面を明らかにした、ノースウェスタン大学の画期的な研究です。この研究は、不安や強迫性障害といった心の病のメカニズム解明につながるだけでなく、最近話題の「ドーパミン・デトックス」という考え方にも一石を投じるものです。ドーパミンの知られざる複雑な働きを、一緒に探っていきましょう。 動物が危険を避ける学習をするとき、脳の異なる領域のドーパミン信号は複雑なパターンで増減する ・「ドーパミン・デトックス」というトレンドが単純すぎる理由に光を当てる発見 ・ドーパミン信号が時間とともにどう進化するかを追跡した初の研究 ・不安障害や強迫性障害(OCD)のように個人が危険を過大評価する疾患において、ドーパミン信号が過剰な回避にどう寄与するかを説明する可能性 ドーパミンは脳の意欲をかき立てる火付け役であり、私たちをSNSの次のリールをスクロールさせるような「心地よい」ことを追い求めさせ、熱いストーブに触れるような「不快な」ことから遠ざけます。しかし、科学者たちは、ドーパミンが私たちが悪い結果を避ける学習をどのように助けているのかを完全には理解していませんでした。 ノースウェスタン大学の新しい研究は、意欲と学習に関わる脳の2つの主要領域におけるドーパミン信号が、ネガティブな経験に対して異なる応答を示し、状況が予測可能か制御可能かに基づいて脳が適応するのを助けていることを明らかにしました。これまでの

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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