最近話題の「痩せ薬」。実はこの薬、単に体重を減らすだけでなく、男性の活力を取り戻す鍵になるかもしれません。肥満や糖尿病に悩む男性でしばしば見られるテストステロンの低下は、疲労感や意欲減退の原因になることも。最新の研究で、抗肥満薬がこの低下したテストステロン値を劇的に改善させることが明らかになりました。体重管理と男性機能の向上、一石二鳥の可能性を秘めたこの研究に迫ります。
7月14日(月)にカリフォルニア州サンフランシスコで開催された内分泌学会の年次総会「ENDO 2025」で発表された新しい研究によると、抗肥満薬は肥満または2型糖尿病の男性のテストステロン値を大幅に上昇させ、健康状態を改善する可能性があります。テストステロンは、男性の性機能において重要な役割を果たすだけでなく、個人の骨量、脂肪分布、筋肉量、筋力、そして赤血球の産生にも影響を与えることがあります。体重の増加や2型糖尿病の有病率は、テストステロン値の低下としばしば関連しており、その結果、疲労感、性欲減退、生活の質の低下を引き起こします。
「生活習慣の改善や肥満外科手術による減量がテストステロン値を上昇させることはよく知られていますが、抗肥満薬がこれらのレベルに与える影響については、これまで広く研究されてきませんでした」と、ミズーリ州セントルイスにあるSSMヘルス・セントルイス大学病院の内分泌学フェローであるシェルシー・ポルティージョ・カナレス医師(Shellsea Portillo Canales, MD)は述べています。「私たちの研究は、一般的に処方されている抗肥満薬の使用によって、低いテストステロン値を回復させることができるという説得力のあるエビデンスを提供する、最初の研究の一つです。」
この仮説を検証するため、研究者らは、抗肥満薬であるセマグルチド、デュラグルチド、またはチルゼパチドで治療を受けており、かつテストステロンやホルモン療法を受けていない、肥満または2型糖尿病の成人男性110人の電子カルテを分析しました。参加者の総テストステロン値と遊離テストステロン値は、治療前と治療中にわたり、18ヶ月間測定されました。
10%の体重減少とともに、総テストステロン値と遊離テストステロン値の両方が正常範囲にある男性の割合は、53%から77%に上昇しました。これらの発見は、抗肥満薬が肥満または2型糖尿病の男性の生殖機能にも良い影響を与える可能性があることを示しています。
「この研究結果は、抗肥満薬の使用とテストステロン値との間に直接的な相関関係があることを示しています」とポルティージョ・カナレス医師は言います。「医師と患者は今後、このクラスの薬剤を、肥満の治療や血糖コントロールのためだけでなく、男性の生殖機能に恩恵をもたらすためにも検討できるようになるでしょう。」
画像:テストステロン



