マラリアの肝臓感染と血液感染を治療する医薬品の候補化合物が見つかった。2011年11月17日付けのScience誌に掲載されたこの研究は、カリフォルニア州ラホーヤのスクリップス研究所のエリザベス・Aウィンツェラー学術博士によって主宰されている。国立アレルギー感染症研究所(NIAID)と国立衛生研究所からのグラントである。マラリアは、プラスモジウム属の4種 類近縁な寄生中によって起こり、感染した蚊にかまれることによってヒトに移る。そして寄生中は肝臓に移動し、症状を引き起こす事なく、約一週間で急激に増加する。

 

症状は、寄生中が肝臓から血流を通って身体全体に広がった時に初めて出始める。しかし寄生中は、感染者が症状を示す数ヶ月から数年前まで肝臓で休眠することがある。現在開発されているマラリア治療薬のほとんどは、感染の血液ステージにある症状を緩和することをターゲットにしている。しかし、マラリアの撲滅を支援するためには、肝臓感染と血液感染の両段階で感染を治療する薬が理想的である。現在、世界保健機関(WHO) が勧めている治療はプリマキン一つで、初期の肝臓ステージにある特定の種類のマラリア感染を治療する。


しかし、プリマキンやその関連薬は、特定の遺伝特性 を有する人達には危険な血液疾患を引き起こす可能性があり、この遺伝特性は、世界中のマラリア流行地域では一般的なものである。
さらに、薬剤耐性も報告されているため、新しい治療法を見つける必要性が高まってきている。

研究者たちは、肝臓ステージにある寄生中を抑制する活性を有し、今後の薬剤開発に必要な修飾が施されたタンパク質化合物の追究を目的として、以前に血液ステージのプラスモジウムに対する活性を示していた4000以上の化合物をスクリーニングしている。その結果、imidazolopiperazine(IP)クラスターと総称される3つの関連化合物がこれらの基準に合うことがわかった。さらに、他のマラリア薬に耐性を獲得していたプラスモジウム系も、IPクラスターには感応することがわかった。

研究者はIPクラスターを基盤として、薬剤候補GNF179を開発した。マラリア感染したマウスで試験したところ、この薬はプラスモジウムの1種を99.7%減少させ、平均で19日間生存を延ばすことに成功した。感染した細胞を調べた所、GNF179が感染の肝臓段階でアクティブであることが確認できた。この薬の肝臓内でのメカニズムを理解するためには今後も十分な研究が必要ではあるが、今回の研究は二段階の抗マラリア薬を開発する契機になるであろうと研究者は考える。

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