帯状疱疹は非常に痛いことで知られているが、ジョージア大学(UGA)とエール大学の研究者達は、帯状疱疹の水疱治療に、従来よりもかなり効力が高い可能性のある物質を発見した。帯状疱疹は、アメリカ国民の最大30%が罹患している疾患であるが、その大部分は高齢者である。しかも特別な治療処置の方法が存在しない。大部分の成人は、子供の頃に水疱瘡に罹った際に熱、痒みを伴う水膨れ、さらに僅かな傷跡などの体験をしているはずである。
この水疱瘡の原因は、varicella-zoster virus (VZV)(水痘帯状疱疹ウイルス)である。残念なことに、高齢者になったときに重篤な症状として再発することがある。小児期水痘由来のVZVウイルスは神経の中に隠れており、60才以上の成人で、身体の片側に水庖の発疹が頻繁に出現する。帯状疱疹の発作後の数カ月または数年間持続する神経性の痛み等を含む合併症が残る可能性の割合は、年齢と共に高まる。
上記のような状況は、L-BHDAと称される新規の効果的な抗帯状疱疹薬によって変わってくる可能性がある。抗帯状疱疹治療薬の権利は、ジョージア研究財団(Georgia Research Foundation, Inc.) とエール大学による前臨床試験を目的として、Bukwang製薬に供与された。
医薬品化学者であり、UGAの薬学・バイオメディカルサイエンスで著名なDr. Chung (David) Chu教授は語った。「既存の薬剤に耐性をもつ可能性のある株を含めたVZV全体を治療可能なように、有効性ならびに特異性を高めた薬剤を目指した新しいオプションが必要である。」彼はL-BHDAの発明者の1人でもある。Dr. Chuと共同発明者であるDr. Yung-Chi (Tommy) Cheng the Henry Bronson 薬理学教授との共同研究によって、HIV、帯状疱疹、肝炎、癌のような疾患を対象とする抗ウイルス化合物のポートフォリオが拡大した。
UGA薬科大学創薬グループ・リーダーDr. Chu氏は次のように語った。「帯状疱疹の持続期間と痛みを和らげるジェネリック医薬品の抗ウイルス薬、各種鎮痛剤、慢性痛を緩和する局所用クリームは存在するが、これらの効能は中程度である。我々には、より効果的な抗VZV剤が必要である。」
「L-BHDAは、既存の薬剤より効果の高い可能性がある。」と、Dr. Chu氏は続けた。彼は、次のような成果に着眼している。すなわち、ニューヨーク州立大学・Upstate Medical Universityの細菌免疫学準教授Dr. Jennifer Moffat氏が率いるグループによって新しい化合物の試験が実験室レベルで行われ、モデルマウスで示された点に注目した。
帯状疱疹の予防を目的としたワクチンは2006年以降、高齢者に提供可能であり、帯状疱疹群の発病を半分に減らすことが可能になった。しかし、“American Journal of Preventive Medicine誌”の最近の報告によると、予防接種を受けている高齢者は、費用、保険償還の対象外、供給不足などの理由によって非常に少数である。
帯状疱疹ワクチンは弱体化ウイルス株を使用するため、小児期の水痘に対する免疫も帯状疱疹に防御に有効であると思われる。しかし、このワクチンは1995年に導入されたので、確定した答えを提供するほどにはデータ量がまだ十分ではない。
「Dr. Chu氏とDr. Cheng氏は、このような流行する疾患に対する治療の選択肢において求められている。大きなギャップを埋めるために熱心に取り組んでいる。」と、Rachael Widener氏(UGARF technology licensing manager)は語り、さらに続けた「1990年代半ばに水痘ワクチンが広く使われているようになるまでは、高齢者やワクチン未接種者は、自分で自然に免疫をつける必要があった。」
「現在、水痘に接する機会が減少すると共に、帯状疱疹の流行が増えている。」と、Rachael Widener氏は語り、さらに続ける。「団塊世代の高齢化と相まって、これは、より直接的な処置の必要性を高めるものである。L-BHDAによって患者が速やかに回復し、感じる痛みが少なくなり、合併症の可能性が軽減することを我々は期待している。」
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