UCLAの5人の研究者チームが、研究プロジェクトに対してNIHの助成金を受けた。
この研究プロジェクトは、脳の神経回路の情報処理、エンコード、保存、読み出しの仕組みに対する理解を深めることになると考えられる。向こう3か年で230万ドルの資金が与えられるこの研究は、動物生体の神経回路網を傷つけることなく、その活動を記録する手法を開発することを目的としている。
この資金は、2013年にバラク・オバマ大統領が発表した、NIHのBRAIN Initiative を通して授与されるものである。
UCLAのキャンパスには500人を超える神経学者が在籍しており、同大学はこの分野の研究で大きな役割を果たせる立場にある。この助成金授与については、UCLAの2015年11月4日付プレス・リリースに掲載されている。
この研究で、UCLAのAssociate Professor of Neurology and Psychiatryを務めるPeyman Golshani, M.D.に率いられた研究者グループは、マウスの多数の脳細胞の活動を撮影し、操作するため、新世代の超小型蛍光顕微鏡の開発を計画している。
このマウスは、自然環境の中で自由に動くまま、その脳細胞の活動を調べられる。頭に埋め込んだ超小型顕微鏡は重さが3グラム未満になる予定で、脳細胞の活動をリアル・タイムでモニターする。
このような技術は過去には不可能だった。この顕微鏡は、特定波長の光をニューロンに照射すると、個々のニューロンがカルシウム依存型のフルオロフォアを発現し、これが光を発するので、個々のニューロンを視覚化するという仕組みになっている。この手法は、ニューロンが発火した時にカルシウム濃度が高まることから、カルシウム濃度の高まった細胞を照らし出すというもの。
Dr. Golshaniは、「カルシウム濃度を画像化して、ほんとうに分かるのは、マウスがある行動をする時にどれほど多くの細胞が発火するかということだ。そこから、脳細胞の活動パターンとマウスの実際の行動の関係が理解できるはずだ」と述べている。研究者達は、究極的には超小型顕微鏡を改造してニューロンの活動を遠隔操作し、さらにはワイヤレス技術を用いて観察と遠隔操作を同時に行えるようにしたいと考えている。
Dr. Golshaniは、「新世代の顕微鏡は、現実的な環境で脳の神経回路が情報を計算する仕組みを理解する上で大きな助けになることと思う。それだけでなく、神経疾患、神経精神病が特定タイプの細胞の活動パターンを変える機序をより深く理解し、その特定の細胞を調整しなおすことで疾患を治療するという技術に一歩近づけることと思う」と述べている。
このような顕微鏡は比較的安価な既製品を利用して組み立てられている。既存の顕微鏡セットの価格は$150,000を超えることもあるが、UCLAの研究チームは究極的には顕微鏡1セットを数千ドル程度で造ることを目標にしている。
それだけでなく、研究チームは、開発した顕微鏡の設計図をwiki page (miniscope.org) を通して他の研究者に開放することも考えている。UCLAのProfessor of Neurobiology and Physiologyで、この研究の共同治験責任医師を務めるBaljit Khakh, Ph.D.は、「この助成金授与決定は、私達のチームにとって素晴らしいことだ。これで、長年にわたって未解決だった神経科学の基礎的な問題に取り組むことができる」と述べている。
この研究プロジェクトには、UCLAのProfessor of Neurobiology, Psychiatry, and Psychologyを務めるAlcino Silva, Ph.D.、UCLAのProfessor of Electrical Engineeringを務めるDejan Markovic、UCLAのポスドク研究員、Daniel Aharoni, Ph.D.が加わっている。
写真: この顕微鏡は、特定波長の光をニューロンに照射すると、個々のニューロンがカルシウム依存型のフルオロフォアを発現し、これが光を発するので、個々のニューロンを視覚化するという仕組みになっている。
原著へのリンクは英語版をご覧ください
UCLA Team Awarded BRAIN Initiative Grant to Develop Mini (



