コーネル大学が共同主導:北極圏そり犬の何千年もの遺伝史を明らかに

コーネル大学が共同で主導した新たな研究により、シベリアおよびアラスカのそり犬のDNAがどのように混じり合ったのか、その時期や背景が解明されました。この研究の一環として、特にシベリアン・ハスキーの系譜について大規模な遺伝子調査が行われました。

遺伝子解析が示す新たな発見

研究を主導したのは、コーネル大学動物科学部のヘザー・ヒューソン博士(Heather Huson, PhD)です。元そり犬レーサーである彼女は、シベリアの犬種を育てるブリーダーたちが自身の犬が100%シベリアン・ハスキーではないという系譜情報を遺伝子分析の結果から知らされることに懸念を抱いていたことを指摘しました。

これにより、従来のシベリアン・ハスキーがアラスカン・ハスキーやアラスカのそり犬の血統を一定割合含むことが示唆されています。

本研究は、遺伝子の多様性が犬の健康に与える影響をも探るもので、シベリアン・ハスキーが2つの異なる北極圏犬系統に由来していることを明らかにしました。研究ではさらに、レース用に繁殖されたシベリアン・ハスキーの約半数にヨーロッパ犬種の遺伝情報が混在していることも判明しました。

北極犬系統の複雑な歴史

「北極犬には単一の系統があると考えられていましたが、実際には2つ存在することを突き止めました。一つは小柄なシベリアン・ハスキーへ、もう一つは大型のグリーンランドそり犬やアラスカン・マラミュートに繋がります」とヒューソン博士は述べています。

共同責任著者のトレイシー・スミス博士(Tracy Smith, PhD)は、メリーランド大学ボルチモア校生物科学部のシニア講師として、遺伝情報を基にした品種管理政策の重要性を強調しました。この研究成果は、北東シベリアの北極圏で人間がそり犬を使役していた時代が従来考えられていたよりもはるかに古いことを示しています。

大規模なデータ収集

研究チームは、シベリアン・ハスキーやアラスカン・マラミュート、その他の犬種を含む合計344匹のDNAサンプルを分析しました。この中には、ドイツシェパードやゴールデンレトリバーといった犬種も含まれています。

この研究成果は、2024年9月14日にGenome Biology and Evolution誌に公開された「Comparative Population Genomics of Arctic Sled Dogs Reveals a Deep and Complex History(北極そり犬の比較集団ゲノム学:深く複雑な歴史を明らかにする)」というタイトルの論文にまとめられています。

[News release] [Genome Biology and Evolution article]

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