体重が減らなくても心臓は守られる?セマグルチドの心血管保護効果、最新解析で判明

「SELECT試験」の新たな解析結果が発表されました。これは、減量や糖尿病管理に用いられる薬剤「セマグルチド(semaglutide)」の心血管系へのメリットを検証した、これまでで最大かつ最長の臨床試験です。今回の解析により、セマグルチドは糖尿病を患っていなくても、過体重や肥満で心疾患の既往がある人々の主要な心臓病リスクを低減させることが確認されました。重要な点は、この心臓保護効果が、その人がどれだけ体重を減らしたか、あるいは試験開始時の体重がどれくらいであったかに関わらず発揮されるということです。

この新しい研究結果は、2025年10月22日に『The Lancet』誌に掲載されました。オープンアクセス論文のタイトルは「Semaglutide and Cardiovascular Outcomes by Baseline and Changes In Adiposity Measurements: A Prespecified Analysis of the SELECT Trial(ベースラインおよび脂肪蓄積測定値の変化によるセマグルチドと心血管転帰:SELECT試験の事前指定解析)」です。

SELECT試験はもともと、心疾患があり、ボディマス指数(BMI: Body Mass Index)が27以上の成人17,000人超を対象に、セマグルチドとプラセボ(偽薬)を比較したものです。今回の新たな解析では、試験期間中の患者の体重と腹囲の変化、そしてそれらの変化が心臓発作や脳卒中といった心血管イベントとどのように関連しているかが詳しく調査されました。

研究者たちは、セマグルチドが体重減少と腹囲の縮小に役立った一方で、初期段階での体重減少量は、誰が心臓病のリスクを減らせるかを予測する材料にはならないことを発見しました。しかし、腹部脂肪が減ったことを示す「腹囲の縮小」は、より良い心臓の健康状態と関連しており、セマグルチドがもたらす全体的なメリットの約3分の1を占めていることが分かりました。

著者らは、これらの知見はセマグルチドが単なる体重減少以上の重要な心臓へのメリットを提供できることを示していると述べています。これは、肥満や心血管疾患を持つ人々における深刻な心臓病の治療や予防に対する、新たな道を開くものです。

[News release] [The Lancet article]

この記事の続きは会員限定です