卵巣ガン再発の際に腫瘍検体を分析する必要がある、ということが2012年2月号のMolecular Cancer Therapeutics誌に掲載された研究で明らかになった。本研究チームは分子プロファイリングと呼ばれる診断技術を使い、原発および再発卵巣腫瘍における分子特性の違いを調べた所、特定のバイオマーカーにおいて著しい違いを発見した。
本研究は原発および再発卵巣ガンにおける患者対比研究で広範なバイオマーカーパネルを試験した初めての研究であり、患者に対して再発治療に関するインフォームド・ディシジョンを行なう際には、再度腫瘍組織を分析することの重要性を強調している。
卵巣ガンは婦人科ガンの中でも極めて致命的なものであり、米国女性のガン関連死ランクでは第5位にあたる。再発した卵巣ガンの治療は、治療法を選択する分子プロファイリング技術があるにも関わらず試行錯誤で進められることが多いのである。
卵巣ガン再発の際にプロファイリング技術が利用されるが、その際に分析される腫瘍検体は初診の時に得たものであることが多い。このような原発腫瘍のプロファイリングは再発腫瘍における変化を考慮しておらず、そのために化学療法後の生存期間の改善に有効に機能していなかった可能性も考えられる。「これらの結果は、再発卵巣ガン治療における新たな可能性を強調しています。本研究は、治療法を決定する際に役立つかもしれない腫瘍の特徴が、疾患の経過とともに変化する可能性があるということを我々に認識させてくれました。」と、本研究の責任著者、クリアリティ財団サイエンスディレクターのデブ・ザチョウスキー博士は語る。
ザチョウスキー博士およびクリアリティのサイエンスアドバイザー、シダーシナイ女性ガンプログラムのベス・Y・カルラン博士と研究チームは、クリアリティおよびダイアン・バートン・データベースによって収集されたデータを分析した。薬物作用と関連しているタンパク質パネルを見つけるため、研究チームは臨床検査室改善法(Clinical Laboratory Improvement Amendments (CLIA))より認定された研究室で、末期癌患者19例から収集した43の対比研究用腫瘍検体を18種類の免疫組織分析にかけた。結果、40%以上の検体において、5つの異なるバイオマーカーの発現レベルがバラバラで共通性が無かった。これらの違いは治療法の選択に影響を及ぼすほどに大きいものである。
「本結果は卵巣ガンの診断と再発までの間に起こる動的遺伝的変化を示しています。 再発腫瘍検体プロファイリングの臨床的有用性を理解するためには、今回見られたバイオマーカーおよび他のバイオマーカーの発現を、より大規模な研究で調査するべきです。しかし、本研究は卵巣ガン患者の生存率を高めるためには、いち早く治療法を個別化する必要性を示しています。」と、サミュエル・オースチン総合癌研究所シダー・シナイ女性癌プログラムディレクターであり、婦人腫瘍学専門家、カルラン博士は語る。
卵巣ガンは患者間で大きな違いがあり、そのためにFDA認可薬および治験薬に対する作用も異なるのである。分子プロファイリングは各腫瘍の情報伝達経路の変化を識別することによって腫瘍変化に対応する薬を照合し、患者の個別化治療を可能にする。クリアリティ財団は、市販の分子プロファイリング技術を使用して個別化診断情報を作成し、ダイアン・バートン・データベースを使用して、その結果を分析するプロセスを開発した。
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