健康的な食事と運動が、がんの予防と管理に重要であることはかなり研究され、論文も出ているが、その正確な機序についてはまだ明らかになっていない。
しかし、Yale Cancer Centerの研究チームは、テロメア (写真で赤の部分) と呼ばれる染色体の小さな保護端にその謎を解く可能性を突き止めた。
この研究結果は、2015年12月8日から12日まで開かれていた2015 San Antonio Breast Cancer Symposiumで公式プレゼンテーションされた。
研究チームは、以前に発表されていたLEANと名付けられたYaleでの減量介入研究の成果を踏まえ、減量試験に参加した乳がん生存者の生活習慣改良による体脂肪と体重減少がテロメアの長さとどう関わっているかを調べた。
テロメアは、細胞分裂に伴って短くなり、短くなったテロメアは老化や乳がん死亡率上昇に関わっていることが知られている。乳がん生存者の減量とテロメアの長さとの関係を調べた少数の研究と同じように、Yaleの研究も食事と運動で減量した乳がん生存者ではテロメア短縮過程が遅くなることを突き止めている。
研究論文の第一著者で、Assistant Professor of Medical OncologyのTara Sanft, M.D.は、「何人かの場合にはテロメア短縮過程が逆転していた」と述べている。 Dr. Sanftは、「この研究結果から、体脂肪率の高さがテロメアの短縮と関連しており、減量がテロメアの長さの増加と関連していることが示される。また、そのことから、テロメアの長さは、肥満と乳がんリスクや死亡率との間を仲介するメカニズムかも知れない」と述べている。
また、この研究論文の筆頭著者、Melinda Liggett Irwin, Ph.D., MPH (写真) は、「健康的な体重と運動の維持などの健康的な生活習慣因子と乳がん生存率の向上とに関係があるとする研究文献が増えており、疑問の余地がない」と述べている。
Dr. Irwinは、Yale School of Public HealthのProfessor of Epidemiology and Professor of Chronic Diseases、Yale Cancer CenterのAssociate Director for Population Sciences、Yale Cancer CenterのCo-Program Leader, Cancer Prevention and Control、Yale Center for Clinical InvestigationのDeputy Director (Public Health) を兼任している。
また、Dr. Irwin は、「どの研究でも、一貫して、減量や運動が乳がん生存率に関わるメカニズムを改善している可能性を示している。そうであれば、乳がんのケアの仕方においても、また、生活習慣のカウンセリングやプログラムへの参加のしやすさ、あるいは参加した場合の料金の補償などについても考え方を変えていかなければならないと思う」と述べている。 写真: Dr. Melinda Liggett Irwin 2015 San Antonio Breast Cancer Symposium
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原著へのリンクは英語版をご覧ください
Telomere Shortening Slows, and Sometimes Even Reverses, in Breast Cancer Survivors Who Lose Weight Through Exercise & Diet; New Clues to Mechanism by Which Healthy Diet & Exercise Positively Impact Cancer Prevention & Management



