唾液が解き明かす2型糖尿病のリスク:AMY1遺伝子コピー数との関係

唾液が解き明かす2型糖尿病のリスク:AMY1遺伝子コピー数との関係

ご飯やパンなどの炭水化物が好きな方にとって、少し気になるニュースかもしれません。私たちが普段、何気なく分泌している唾液。実はその中に含まれる「消化酵素」の量が、2型糖尿病のリスクと関連している可能性が、新たな研究によって示唆されました。この記事では、あなたの健康にも関わるかもしれない、唾液と遺伝子の興味深い関係について、分かりやすく解説していきます。 コーネル大学の新しい研究により、2型糖尿病と、デンプンを分解する唾液酵素を生成する遺伝子との関係が、さらに明確になりました。唾液アミラーゼをコードする遺伝子(AMY1)のコピー数が多い人ほど、唾液アミラーゼ酵素の産生量が多いことは以前から知られていました。2025年7月2日にPLOS One誌で発表された新しい論文は、AMY1遺伝子のコピー数が多いことが2型糖尿病に対する予防効果を持つ可能性があるという考えを裏付けています。ただし、この理論を証明するには、さらなる長期的な研究が必要です。このオープンアクセスの研究論文は「The Association Between Salivary Amylase Gene Copy Number and Enzyme Activity with Type 2 Diabetes Status(唾液アミラーゼの遺伝子コピー数および酵素活性と2型糖尿病の状態との関連)」と題されています。もし研究者たちが最終的にAMY1のコピー数と糖尿病との明確な関連性を証明できれば、生まれつきの遺伝子検査によって、個人の糖尿病へのかかりやすさを予測できるようになるかもしれません。 「もし生まれた日から糖尿病のリスクが高いと分かっていれば、日々の選択や人生の選択に早期に影響を与え、将来の発症を防ぐことができるかもしれません」と、コーネル大学農学・生命科学部の分子栄養学助教である筆頭著者のアンジェラ・プ

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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