絶滅危惧センザンコウを救え!最新ゲノム解析が明らかにする遺伝的リスクと保全への道

絶滅危惧センザンコウを救え!最新ゲノム解析が明らかにする遺伝的リスクと保全への道

サイエンス出版部 発行書籍

世界センザンコウの日によせて:最新ゲノム研究が照らす、絶滅危機にあるセンザンコウの未来 うろこに覆われた唯一の哺乳類、センザンコウ。そのユニークな見た目は、写真を見れば「かわいい!」と思わず声が出てしまうほど魅力的です。しかし、愛らしいだけでなく、センザンコウは生態系において非常に重要な役割を担っています。そんな彼らが持つもう一つの「ユニークな特徴」、それは世界で最も多く密猟・密輸されている野生動物であるという悲しい現実です。過去20年間で90万頭以上が犠牲となり、その多くは伝統薬の材料として肉やうろこが高値で取引されるためです。この結果、多くのセンザンコウ種が絶滅の淵に立たされており、特にマレーセンザンコウとチュウゴクセンザンコウは深刻な生存の危機に直面しています。これらの種は、2014年以来、国際自然保護連合(acronym: IUCN)のレッドリストで「深刻な危機にある」とされています。 2月15日の「世界センザンコウの日」に合わせ、これらのセンザンコウ種に関する高品質なゲノムデータを示す新しい研究が発表され、マレーセンザンコウとチュウゴクセンザンコウの遺伝的脆弱性と絶滅リスクに光を当てています。この研究は、国家林業草原局センザンコウ保護研究センターのヤン・フア氏(Yan Hua)のチーム、東北林業大学のティアンミン・ラン教授(Tianming Lan)のチーム、そしてBGI深圳のチーイェ・リー氏(Qiye Li)が参加する中国の科学者たちによる共同研究の成果です。この研究成果は、オープンサイエンスジャーナル『GigaScience』に掲載されました。このオープンアクセス論文のタイトルは「「Enhancing Inbreeding Estimation and Global Conservation Insights Through Chromosome-Le

Life Science News from Around the Globe

Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

バイオクイックニュースは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中のバイオニュース(生命科学・医学研究の動向)をタイムリーにお届けします。バイオクイックニュースは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill

LinkedIn:Michael D. O'Neill