超小型CRISPR「NanoCas™」誕生!単一AAVベクターで非ヒト霊長類の筋肉遺伝子編集に成功

超小型CRISPR「NanoCas™」誕生!単一AAVベクターで非ヒト霊長類の筋肉遺伝子編集に成功

サイエンス出版部 発行書籍

遺伝子治療の新たな扉を開くか? 超小型CRISPRが筋肉への「運び屋」問題を解決へ 遺伝子の異常によって引き起こされる病気を、根本から治す。そんな夢のような治療法として期待されているのが「遺伝子編集」技術です。しかし、この革新的な技術を体の特定の場所に安全かつ効率的に届けることは、大きな壁となって立ちはだかっていました。特に、肝臓以外の組織、例えば筋肉などに治療薬を届けるのは非常に困難でした。今回、画期的な次世代CRISPRプラットフォームを持つバイオテクノロジー企業、Mammoth Biosciences社が、この課題を打ち破る可能性のあるプレクリニカル研究の結果を発表しました。彼らが開発した「NanoCas™」と呼ばれる超小型の新しいCRISPRシステムは、たった1つの運び屋で、これまで難しかった筋肉組織での遺伝子編集を可能にするかもしれません。これは、遺伝子治療の新たな扉を開く可能性を秘めた、注目の成果と言えるでしょう。 2025年1月31日、独自の次世代CRISPR遺伝子編集プラットフォームを活用し、一回投与での根治療法創出を目指すバイオテクノロジー企業、Mammoth Biosciences社(Mammoth Biosciences, Inc.)は、プレプリントサーバーbioRxivで公開された新しい前臨床研究を発表しました。この研究は、NanoCas™の概念実証(proof-of-concept)を確立するものです。NanoCas™は、単一のアデノ随伴ウイルスベクター(AAV: adeno-associated viral vector)を用いて全身投与した場合に、効率的な肝外編集が可能な初の超小型CRISPRシステムです。プレプリントのタイトルは「Single-AAV CRISPR Editing of Skeletal Muscle in Non-H

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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