分子インプリント・ナノ粒子利用:多様なバイオマーカーを測る次世代センサー

分子インプリント・ナノ粒子利用:多様なバイオマーカーを測る次世代センサー

サイエンス出版部 発行書籍

汗で健康を常時チェック! ナノ粒子を印刷して作る次世代ウェアラブルセンサー 一人ひとりの体調を正確に把握し、最適な栄養素や薬を届ける「個別化医療」。それは未来の医療の姿として、大きな期待が寄せられています。しかし、その実現には、体の中の状態を示す「バイオマーカー」を、リアルタイムで、しかも継続的に測る方法が必要不可欠でした。汗をかく、服を着る、そんな日常の中で健康状態をずっと見守れたら…?カリフォルニア工科大学(Caltech)のエンジニアチームが、そんな未来を一歩近づける画期的な技術を開発しました。特殊なナノ粒子をインクジェット印刷することで、まるでシールのように身につけられる汗センサーを大量生産する道を拓いたのです。 このセンサーは、私たちの健康状態を、より手軽に、より深く知るための新しいツールとなるかもしれません。ビタミン、ホルモン、代謝物、薬剤など、様々なバイオマーカーをリアルタイムで監視し、患者とその医師が分子レベルの変化を継続的に追跡することを可能にします。この新しいナノ粒子を組み込んだウェアラブルバイオセンサーは、カリフォルニア州ドゥアルテのシティ・オブ・ホープ(City of Hope)において、COVID後遺症(ロングCOVID)に苦しむ患者の代謝物モニタリングや、がん患者の化学療法薬レベルのモニタリングに成功裏に使用されています。 「これらは可能性のほんの一例に過ぎません」と、カルテック(Caltech)のアンドリュー・アンド・ペギー・チャン医用工学部門(Andrew and Peggy Cherng Department of Medical Engineering)の医用工学教授であるウェイ・ガオ博士(Wei Gao, PhD)は述べています。「これらのセンサーによって、多くの慢性疾患とそのバイオマーカーを継続的かつ非侵襲的に監視できる可能

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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